2012年09月21日

中国の反日デモの主導者は誰か?

中国で長年、事業をしている従兄弟からのインサイダー情報です。一部のデモは地方政府が参加者に金を払って人を集めた官主導デモ。そして、尖閣沖に行く中国漁船にも補助金を出しているとの情報もあるようです。


江蘇省の中国取引企業と話していたら、デモに関する興味深い情報を入手しました。
以下、その内容です。
「実は地方政府から週末のデモに各社会社規模に応じて何人か出せ。参加者には手当として日当150元(=1875円)支払うとの通知(指示)があった。状況が状況だけに、無視したくても後々何らかの圧力が掛かる可能性を考えると従うしかない。」



ここ数日の漁船の尖閣諸島(釣魚島)への出港についても中国人の事情通(=銭江晩報(浙江省最大の新聞社))の友人によると、浙江省石浦港の漁船一隻につき10万元を補助するとの話しもあるようです。


PS, 読売新聞が同様の情報を得て、報じていることが分かりました。

尖閣出漁船に当局から125万円…船主が明かす

posted by Kosuke at 13:57| Comment(0) | 日中関係

なぜ国内メディアは石原知事にマイクを突き付けないのか?

日中関係が戦後最悪のレベルまで険悪になっている。

日本の尖閣諸島国有化に対抗し、中国は海洋監視船や漁業監視船を尖閣周辺の海域に増強して派遣してきている。そして、日本の海上保安庁の巡視船とにらみ合いを続けるなど、緊迫したチキンゲームを続けている。

こうした状況の中では、いずれか一方の船が万が一、最初の銃撃をし、互いに歯止めが利かなくなった時のskirmish(小衝突、小戦闘)の事態が心配される。そうなれば互いの国の世論はますますヒートアップする。政治家も弱腰批判を恐れ、強硬策に出る可能性が高い。外交交渉が決裂し、本格戦争に発展する可能性だってある。

ちなみに、中国の海洋監視船や漁業監視船など哨戒船艇の総数は1470隻(うち1000トン以上のクラスは41隻)。一方の日本の総数は460隻(うち1000トン以上は51隻)となっており、中国の3分の1ほどにとどまっている。

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そもそも日中間はなぜこんな事態に陥ってしまったのか?

日本側からすれば、2010年9月の尖閣沖での漁船衝突事件をめぐり、中国の過剰とも言える対日強硬策(レアアースの輸出停止措置やフジタ社員の4人の拘束等)を受けて、尖閣諸島の実効支配を強める必要があったとの意見もあるだろう。

しかし、中国側からすれば、暗黙の了解で長らく棚上げ状態にあった領土問題から一歩踏み出し、「国有化」というルビコン河を日本が渡ったことで、反発を強めている。また、野田首相や森本防衛大臣が7月下旬にいざとなれば、尖閣問題で自衛隊の発動を辞さない、との発言をしたことも中国側の態度を硬化させた。日中間では、領土問題については1970年代から「武力による威嚇や武力の行使をしない」との共通原則があったのだが、野田政権がポンとそれを乗り越えてしまった。

民主党政権の外交経験の浅さのせいで、長らく先人たちがうまく抑え込んできた「パンドラの箱」が空いてしまった。

先日、お会いしたインド大使館の公使は、インドと中国も領土問題を抱えるが、長年、棚上げ状態にしていると話していた。"Just on hold! On hold!"(ずっと現状維持!棚上げ!)と言っていた。

また、忘れていけないのが、中国人民解放軍の海軍は歴史的にも対外的に常に慎重的な姿勢を示してきているという点だ。中国の海軍、もっと言えば漢民族は、日本側に戦争を仕掛けたことは無い。外交努力で解決できるし、しなくてはいけない。

そして、現在の日中間の混乱の責任は、誰よりも石原知事にある。

僕は、石原知事が4月に尖閣国有化を発表した時から一貫して、彼を批判してきた。今のような事態が想定できたからだ。今、こうした日中間の最悪事態になって、I told you so!(だから、言ったではないか!)との思いが非常に強くある。

アジアタイムズで石原慎太郎東京都知事を批判した

中国国営通信社報道「釣魚島へのパトロールは5月9日まで続行する」

やはり、尖閣諸島をめぐっては、日本が実効支配を続けてきた訳だから、荒波を立てず「棚上げ」路線で行くことが一番、利にかなっていた。石原知事が中国にケンカを売ったことで、わざわざ問題に火をつけ、日本政府の意図に反し、国際的にも日中間に領土問題があることを白日の下に晒してしまった。

日本は淡々と実効支配を続けていればよかったのだ。日本側からわざわざrock the boatをする必要はなかった。石原慎太郎氏には日中の領土問題の存在を国際的に知らしめてしまった責任、そして、現在の混乱の責任を取ってもらって、北京に直談判に行ってほしいものだ。それが責任ある政治家の姿だ。なぜ国内メディアは石原知事にマイクを突き付け、責任を問い詰めないのか?

自民党総裁選候補も、対中強硬策を訴えている。例えば、石波茂氏は「魚釣島に船着き場を設ける」ことを訴えているが、それを実施した時の中国のさらなる反発と、日本の対抗策(countermeasures)をきちんと考えているだろうか? 石破氏、本当に十分に計算し、見通したうえで言っているのだろうか?

先日、お会いした安全保障学や戦争・紛争研究で有名な青山学院大学のA先生は僕へのメールで次のように述べていた。

「 近隣諸国をprovoke(=挑発)することの結果をなにも考えず行動する政治家が多く、閉口します。少しでも戦争発生の歴史や近年の民族紛争の原因論を勉強したことがあるものはそのようなことは恐ろしくてできないと思いますが。(もしかしたら戦争をしたいのではないだろうかと疑います。) 」

その通りだ。政治家がやるべきことは、後先考えずに、領土問題を利用してナショナリズムを煽るのではなく、紛争を解決し、諸国民の平和を実現するよう国を導いていくことが本来の責務であるべきだ。

対立を煽っていくことは簡単だ。しかし、ナショナリズムが吹き荒れる中、対立を和らげていくのは勇気が要る。しかしそれこそが、政治家や外交官、そして、メディアの役割であるはずだ。
posted by Kosuke at 02:50| Comment(1) | 日中関係

2012年09月18日

中国人女性記者「デモは中国の政治の問題」

知り合いの中国人記者とメールでやり取りした。まだ20代の女性記者。10代の頃に、日本にホームスティした経験があり、日本語も堪能。


私 「上海より、田舎の都市の方がデモ、大きかったね?」

中国人女性記者 「日本に関係ない。中国の政治の問題です」

私 「反日デモなんだから、関係あるでしょ?」

中国人女性記者 「こんなひどいわけがない。日本は言い訳」

私 「そうなの?日本はみんなそう思っていないよ」「中国のメディアの責任も大きいんじゃないの?」

中国人女性記者 「だから、政治です。マスコミは政治のものです」

私 「あなたはすごいね。若いのに、自分の国を客観的に見えます」

中国人女性記者 「絶望です。もう文化大革命に戻りました」

私 「若者の教育を厳しくしてください。甘えて育てたんじゃない?」

中国人女性記者 「みんな不満です。教育、関係ない」

私 「あなたより、若い人が、たくさん暴れましたね。彼らの不満の方が大きいですか?」

中国人女性記者 「うん。家を買えないとか」

私 「バブルはいずれはじけます。僕が若い時、日本も家は無理と思われていた」

中国人女性記者 「でも、中国で家がないと結婚できない」

私 「それがおかしい。結婚してから、お金を貯めて買えばいいのに」

中国人女性記者 「女性はお金持ちと結婚したくて」

私 「お金持ち重視の価値観、変えてください」「あれは仮想反日デモ?実際は反政府デモなんだね?」

中国人女性記者 「はっきり言えない。そんなに簡単じゃない」


以上がスマートフォンのSMSで交わした彼女とのやり取り。中国の内政問題が一気に、反日デモという鏡を通じて、噴き出しているようだ。中国の若者が日本嫌いなのは間違いないが、それだけはないのは確かだ。
posted by Kosuke at 01:18| Comment(0) | 日中関係